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俺のキョウちゃんがこんなにかっこいいわけがない

久々にラノベ読破。
「ペイルライダー(著・江波光則 ガガガ文庫)」
結構おもろかったので格納。
致命的に冴えない見た目と、親の都合で転校ばかり繰り返す漂泊人生のおかげで
致命的にヒネくれたクソ野郎に育ち上がってしまった主人公・享一が、
教育機関としてあるまじき陰険な制度を秘匿する学級に入ったら・・・とゆう話。

いんやーまさしく、爪先から脳天に至るまでこれでもかと言うほどの「B級」を堪能しました。
主人公の設定、クラスの歪み、陰鬱にしてビビッドな展開、期待を裏切らないセックスドラッグバイオレンス、
無意味にタフな主人公とヒロイン、そしてなんだか分からない有耶無耶の内に後味だけ纏め上げた空虚なエンド、
そして何より表題から章題までB級映画でまとめるという偏執したこだわりっぷり。実に見事。
邦画でもたまにこういうのが持て囃される感じありますよね。
「凶気の桜」のような、厨二ともまた違う、ひたすら刹那的で虚無な乱暴の中で生きる姿が美しい(キリッ)みたいの。

このテの作品はまぁまず「主人公に共感が持てるなら」という敷居が設けられます。
しかし、享一の性格や行動理念はとにかく陰鬱かつ横暴ですが、一度でも集団生活を体験した人であれば
誰にでも分かり易く捉えられるものではないかと思います。以後ちょっと具体的に語ります。

半生がイジメと共にあった享一は、いつしか「仇を社会的に爆死させて自分は転校で退散」というストレス解消を
自分の趣味から性癖を経て生き方にまでこじらせていきます。そんな彼が人生で唯一やってしまった
「仇にはなっていない者を爆殺」という罪が、巡り巡って彼に応報を突きつける・・・という話。
行き着いた地平はさすがラノベとばかりに誇大ですが、いじめられっ子など、コミューンに対して
強いストレスを抱えている人特有の抑圧と歪み、それに対する意固地や開放感などがまざまざと
描かれており、なんというか「人として肯定したらいけない気がするけど分かる分かる~」みたいな
インモラルな心理的愉悦を感じさせてくれます。
その辺の心理描写がウザったいくらいに濃密で、しかもそういう鬱屈から享一自身が逃げる気配が一切無く、
むしろそういった感情の扱いを楽しんでいる姿に、頼もしさのような憧れのような、妙な痛快感すらある。

心理描写の面で満足行くだけに、物語の舞台や展開にムリを感じるのはご愛嬌。
他社のレーベルならせいぜいイジメの標的にされてしまう程度で済ませるでしょうが、さすが痛い系の
青春を突きつけてくる事に定評のあるガガガ文庫、キッチリとレイープまで持って行きおる。

そのレイプ事件以降、享一の中に眠っていたダークヒーロー的なかっこよさが炸裂するのもまた痛快。
コンプレックスとサディズムとルサンチマンとクレバーを武器に、まぁ八面六臂の大活躍。
最終的に享一とヒロインが安易に結ばれたりしないのもまた良かった。
作者はこういう暗澹とした内容に定評がある人らしく、ちょっと一通り追ってみようかなーとも思ってます。
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