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こんなリア充は爆発する価値もない

「成金」(著・三三珂 メガミ文庫)
「ブサメン王子とヤンデレ姫」(著・宮元戦車 HJ文庫)読了。
例によって長いので格納。ブサメンディスってます。
・成金
作品としてはまずまず面白かったです。
まぁぶっちゃけラノベ用にリファインした餓狼伝って感じだったんですけど。

半ば闇雲なまでに一心不乱に強さを求道する二人の人間を描いた話で、わけても特に
主人公の少年レスラーへの傾倒が強い。殆どが主人公の稽古か実戦のシーン。
個性的だと思ったのは、強さに傾倒するあまりに主人公が結構な領域で同年代の学生生活から
大きく乖離しているライフスタイルをさりげなく描いてる点だと思った。
学生がアスリートとして生きている時、どれくらい日常性を削ぎ落として生きているかが
簡潔に伝わってきて面白かった。
文章がそこそこ上手いので読めるんだけど、どうも心残りがない。
ぶっちゃけヒロインは要らない小説だと思う。主人公とライバルの男、くらいでいい。

・ブサメン
いやー久々に来ましたね、箸にも棒にも掛からない三文ラノベ
あらすじを見るだに三文臭がすごいのですが、ブサイク男が克己して奮闘するヒロイックな内容になれば
それだけできょうびはそこそこ読めるかと思いきや見事に裏切られました。

5歳児に読み聞かせるのが目的なのかと見まがうくらい適当に名付けられた諸々のネーミングのおかげで
人物名はおろか舞台や世界観までが頭の中で全く整頓されない字面。メインヒロインが
「スイーツ王国のスフレ姫」という時点で諸兄大多数が二の足踏み放題かと思います。

ファンタジーの世界を舞台にしているわりに、現実味の強いパロディ要素多数で脚色された舞台設定。
劣悪な差別階級が存在する王政国家のブティック名が「シマ→ムラ」などであり
チグハグさがすごい事になっております。
無論パロディは舞台設定だけでなく、キャラの言動や作者の筆致にまでグッチャグチャに滲み出ており、
曲がりなりにも西洋風のファンタジーなのか、単なるウケを狙った学園ラブコメなのかが
読んでる途中で二転三転と不明瞭になっていくこと請け合いです。
太字や書体換えの乱用も甚だしく、ただでさえ足りてない文章力をさらに強調するような
頭が痛くなる幼稚な文面に仕上がっております。ここまでくると一、種匠の業とさえ言える。

何よりも許せなかったのは主人公。
思春期の頃にブサイクとして被差別階級に転落し、以来必死に生きる中で
「イケメンだけが楽できる世の中は間違っている。ブサメンが幸せに生きる世の中だっていいじゃないか」
と殊勝な志を持っているのはいいのですが、困った事にこの主人公、ストーリーの中で起きたあらゆる難題が
徹頭徹尾他力本願での解決という情けなさと来たら。
押しかけのお姫様、タナボタの魔法に王位継承権、挙句の果てに中盤以降のバトル要素も半分以上が
実は軍隊上がりでスゴウデの戦闘能力を持つヤリ手の姫様に助けてもらってトドメだけ漁夫の利という
作者テメェどんだけ主人公を甘やかしたいんだよと思わずにはいられない展開に目も当てられません。

自己弁護しますが、一応最後まで読んだものの全く面白いと思いませんでした。
だって近所のラーメン屋でつけめん啜りつつページめくりながら、頭の中でフェイトゼロの内容を
リピートしつつ読み進め
ても、小一時間も持たずに内容把握した上で読破できると言うスカスカっぷりだもの。
ある意味でザ・ライトノベルと言うにはピッタリの一冊だったとは思うけど。

ラノベばっかりに触れてると「面白い=笑える」っていう図式で脳みそが縛られがちになるし
実際きょうびのラノベは大半がその図式に即すべく作り上げられてるけど、この図式は必ずしも
文章で笑いを取れれば達成できるとは限らないのよね。
喜怒哀楽、いかなる感情に訴えかける内容で勝負しようとも、共通して言えるのは
読み手の感情を引き込んで同調させる部分がないと何の感慨も喚起されないという事。

その点、最近取り付かれたように何周も読んでいるフェイトゼロは本当にすごいと実感する。
必要最低限の飾り気と言い回しをもって構築される文章と、それを読み込み、反芻するに易い
表現の切り口の多彩ぶり。安易にコミカルな比喩表現や、ましてパロディに頼ることなく
舞台の情景やキャラの心情、聖杯戦争のマクロ・ミクロ両視点における状況推移などが
つぶさに零さず、難なく読み取れる。
個人的にはバカテスに並び、ラノベの教科書と言いたくなるシリーズ。
この2つは作中の多くの情報を軽く、しかし不足なく説明し、文章で読者を説得して引き込んでくれるのに対し
ブサメンはもう完璧に字面を並べるだけで後は読者に丸投げしている、実に不親切で幼稚な文章。
こういうレベルの筆力で「ラノベなんだから面白いと思う人だけ楽しめば」なんて言うのは怠惰。

バカバカしい、というのは一見単純なものごとに見えますが、実はこれを受け手に貫き通すには
生半に感動モノを作るよりもずっと、周到な計算を要します。計算のないバカバカしさはただの馬鹿です。
ブサメンは馬鹿をバカバカしさまで昇華する努力が全く以って至らない、文句の余地なき駄作でした。
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